断食によるオートファジーで肝臓に脂肪が蓄積する!?ダイエットコーチが解説。
どうも!
ダイエットコーチ計太です(^^)
【ボクノジム代表:ダイエットコーチ計太】
・パーソナルジム(東京中野、白金高輪、秋葉原、高円寺。埼玉北浦和。)
・セミパーソナルジム(奈良大和高田、新大宮)
・パーソナルピラティス(東京初台)
・オンラインダイエットサポート
・小学館より書籍『ラクやせ』出版
ダイエット指導を仕事にしていると
『断食ってダイエット的に良いと思いますか?』
と聞かれることが多々あります。
結論から申し上げますと、
断食で痩せようと考えることはオススメしません。
その理由は次の3つです。
1.断食で体重が落ちたとしても、それは“脂肪燃焼”ではなく“強制的な排泄と脱水”だから。
2.太ってしまった原因を無視していて根本的な解決に繋がらないから。
3.断食によるオートファジーの影響で肝臓に脂肪が蓄積させる可能性があるから。
今回の記事では、上記3つのポイントについて具体的に解説します。
1.断食で落ちる体重は脂肪燃焼の結果ではない。
前提として“1~3日ほどの短期間の断食”という想定で話を進めます。
断食3日間で3㎏痩せた!5㎏痩せた!などとSNSなどで体重減少の実績報告を見かけたことはないでしょうか?
こんな情報を見るとあたかも“3㎏痩せた=3㎏分の脂肪が減った”と誤認してしまいそうですよね。
…そうです。
断食による体重減少=脂肪燃焼だと考えてしまうのは、誤認ですよ。
この点について具体的に考えてみましょう。
60㎏の女性が3日間の断食をすると、3日後に脂肪は何㎏減るか。
脂肪は約7,200kcalのエネルギーを持っています。
要するに、7,200kcal分のエネルギーを消費することで脂肪1㎏が燃焼されるということです。
さて。
仮に60㎏の女性が3日間の断食を開始したとしましょう。
基礎代謝は約1,200kcalです。
ここに各種活動による消費カロリーが加味されて、1日の総消費カロリーが算出されます。
計算しやすいように活動量多めに見積もって、総消費カロリーを2,000kcalとします。
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『ということは…2,000×4で8,000だから、4日目にしてやっと脂肪1㎏分の燃焼が起こるのかー』と考えがちですが、そうではありません。
断食を開始したとしても、優先的に既に体内に蓄えられているグリコーゲンを消耗することによって体内のエネルギー供給を賄います。
グリコーゲンは主に筋肉と肝臓にありまして、60㎏の女性でもおよそ400gほどは蓄えがあります。
それをカロリー換算すると1600kcalです。
つまり、おおざっぱに考えて断食初日のエネルギー消費は体脂肪燃焼ではなく貯蔵しているグリコーゲンの消耗で賄われることになります。
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ということで
仮に3日間の短期間断食を実施したとすると…
1日目→体内に貯蔵していたグリコーゲンが消耗される。
2日目→体脂肪を約2,000kcal分燃焼する。
3日目→体脂肪をさらに約2,000kcal分燃焼する。
結果的に、体脂肪約0.5㎏分が燃焼されるという結果になります。
※この計算はかなり雑ですし、本来はもっと複雑な身体の化学反応が起こることでしょう。
なぜ短期間の断食でも体重が3㎏や5㎏も落ちることがあるのか?
結論から述べると、体内の水分が排出されることと、腸内の便が排出されることで体重が数㎏落ちます。
「腸内細菌が一部死滅して体外に排泄される」と言われることもありますが、これは1つの“可能性”として理解しておきましょう。
腸内細菌が短期間ですぐに死滅するとは考えにくいものの、エネルギー不足によって一部は死滅する可能性もなくはない…かと。追加情報(根拠)あればシェアします。
先ほど述べたように、断食によって体内のグリコーゲンが消耗される訳ですが、それと一緒に水分もたくさん身体から出ていきます。
なぜならば、グリコーゲン1gにつき約3gの水分がセットになって体内に蓄えられるからです。
要するに体内のグリコーゲン400gが消耗される時、一緒に体内の水分1.2㎏分が体外に排出されます。
さらに、細胞外液として保有されていた水分(=浮腫み)も体外に出る。
さらに、腸内にある残留物(便と水分)も体外に出る。
これらを加算すると一般的な体格の女性でも3㎏ほどには達します。
体格が大きい人であれば5㎏に達しても全くおかしくありません。
これが、断食による体重減少の現実です。
2.断食による「痩せ」は根本的な問題解決ではない。
ダイエット指導をしていると、沢山のダイエッターとお話しする機会を得られます。
やはりダイエッターの多くは1度は断食ダイエットに接しているんですよね…。
そして、多くの方が「痩せたけどすぐにリバウンドしたからもうやめた。」と言っています。
“体重減”を目的に断食に取り組んだとしても、その手段は根本的な問題の解決には至らないんです。
太ってしまった人が元の体重に戻って、その体重を維持するためには
「太ってしまった原因をたたき直す」という作業が必要です。
断食で手っ取り早く痩せてしまおう!という考え方は、根本的に考え方が間違っているんです。
《もし仮に…》
ひとまず断食をして体重を落として、そこから生活改善に取り組む!とお考えでしたら問題ないかと思います。
あくまでも断食をキッカケと捉えるならば健全に過ごせるでしょう。
とはいえ、そもそも低血糖や甲状腺機能障害、摂食障害などがあれば話は別ですからね。ご注意下さい。
3.断食によって肝臓に脂肪が蓄積される可能性がある。
項目1のところで、断食をすることで体内のグリコーゲンが消耗され、その後体脂肪の燃焼が高まることを説明しました。
その過程で脂肪細胞から脂肪酸が放たれて、肝臓に運ばれます。
肝臓で脂質代謝の過程を経て、ケトン体として血中を流れ、これがエネルギー源として筋肉などで使われます。
このように、脂質代謝の結果として血中にケトン体が増加した状態を“ケトーシス”と言います。
いわば、ケトーシスの状態になっていることが脂質代謝が主軸として動いているサインとも言えます。
※ケトーシスじゃないと脂肪が燃焼されない訳ではありません。
さて。
2024年、大阪大学が発表した研究成果によって“絶食時に脂肪組織でオートファジーが活性化し、その結果、脂肪組織が減少して肝臓に脂肪が蓄積する”ということが証明されました。
( 参考記事 )
オートファジーとは細胞内のリサイクル反応のようなシステムでして、不要なタンパク質を自食(自ら分解)して、新しいものに取り換えていく働きです。
身体の機能を正常に保つためには必要なシステムなんですが、なぜか“オートファジーを活性化させることで痩せる”とネット上で言われ始めています。
確かに、細胞内の不要なものを排除する働きですから、体内の細胞がスッキリするような気もします。
さらにオートファジーによって確かに脂肪細胞は減少すると考えられています。(マウスではそのような結果に。)
あくまでも個人的な意見ですが、確かに一時的な絶食でオートファジーを活性化させて脂肪が減少するかもしれないが…これって絶食をやめたら元通りでは?やはり付け焼き刃的なアクションなのではないかと懐疑的です。
とにかく、絶食(=断食)によってこのオートファジーは活性化します。
さらにオートファジーが活性化されている間、脂肪細胞に脂肪を蓄積させるタンパク質が抑制されるらしいです。
つまり、オートファジーが活性化されている間は脂肪細胞は脂肪を蓄積できないので、肝臓に蓄積されやすくなる。
ここからは、個人の見解ですが…
仮に普段カロリーオーバーや飲酒が続いている人が、体重増加の対策として断食をして、その後結局根本的な生活改善はせずにまた元の食生活に戻り、そして再び断食をする…。
このような生活をしていると肝臓への負担は倍増してしまうのではないかと思います。
「断食を駆使して何とか体重は維持できているからOK」と本人は思っているかもしれません・・・。
まとめ
以上の理由はから“体重減を目的とした断食”はオススメできません。
このように書くと『別の目的なら利用価値あるの?』と察する人もいるかと…。
誤解がないように伝えておきたいのですが、現段階(2024年12月時点の僕)では断食の全てを否定できるほど、断食について学んでいないのです。
少なくとも僕が今までダイエット指導をしてきた中では断食は必要ありませんでした。
ですが、特定の条件下にいる人にとっては利用価値があるのかな~という考察も僕の中にあります。
引き続き勉強していくので、発見があったらまたシェアしますね。
是非、SNSをフォローしてお待ちください!
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