
ストレッチだけでは改善しない?本当に可動域を上げるために必要な運動とは
ボクノジム高円寺店代表トレーナーのそうです
「身体が硬いからストレッチをしよう」「関節が動きにくいから柔軟性を高めたい」
そう思ってストレッチを習慣にしている方も多いのではないでしょうか?
しかし実は、「ストレッチだけ」では思うように可動域が改善されないケースも多くあります。なぜなら、可動域の制限には筋肉の長さや柔らかさ以外の要因が多く関与しているからです。
今回は、なぜストレッチだけでは可動域が十分に広がらないのか、そして本当に必要な運動とは何かについて、科学的根拠に基づいて解説していきます。
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可動域制限は「筋肉の硬さ」だけではない
多くの人が「関節の動きにくさ=筋肉の硬さ」と考えがちですが、実際には次のような複数の要因が絡み合っています:
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筋の弾性(柔らかさ)
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神経系の出力や抑制(筋の緊張状態)
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関節包・靱帯の柔軟性
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中枢神経系の運動制御(脳や脊髄の運動指令)
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動作パターンの習慣(姿勢や動きのクセ)
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感覚系(固有受容感覚)の過敏さや鈍さ
つまり、筋肉が「長くない」「伸びない」から動かないのではなく、「伸びてくれる許可が出ていない」状態にあることが多いのです。
ストレッチの効果と限界
もちろん静的ストレッチ(筋肉を一定時間伸ばす運動)には一時的な柔軟性の改善効果があり、筋の緊張を和らげたり、リラックス効果を得たりする目的では非常に有効です。
しかし、以下のようなケースではストレッチだけでは不十分です:
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筋出力が伴っていない(力が出ない)
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可動域が実際の動作に結びつかない
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関節の安定性が低くなる
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脳が「これ以上動くと危ない」と判断してブレーキをかけている
つまり、ただ伸ばすだけでは実際の動作で使える可動域にはならないということです。
本当に可動域を上げるために必要な「アクティブな運動」
動ける可動域を広げるためには、「筋のコントロール」と「神経系の再教育」が重要です。
特に以下のようなアプローチが有効とされています:
① モーターコントロールトレーニング(運動制御の再学習)
脳と身体をつなぐ運動指令系を活性化させ、「どう動かせば良いか」を再学習します。
たとえば、ヒップヒンジやスパインアーティキュレーションなどのエクササイズが代表的です。
② アクティブストレッチやダイナミックストレッチ
動きながら筋肉を伸ばすことで、神経系を刺激しつつ、実際の動作に近い可動域の獲得を目指します。
③ エンドレンジエクササイズ(可動域の終点での筋力トレーニングやピラティス)
可動域の限界で筋力を発揮することで、「安全にここまで動ける」と脳が学習します。これにより、関節の動作許容範囲が広がります。
④ 関節周囲の安定性トレーニング
関節に対する「不安定さ」を身体が感じると、脳は無意識にその関節の動きを制限します。
そのため、関節周囲筋のトレーニングを通して「安定感」を高めることが重要です。
ストレッチ+運動の組み合わせがベスト
結論として、ストレッチは必要だけど「それだけでは不十分」ということです。
静的ストレッチで筋肉を緩めたあと、アクティブな運動で新しい可動域を脳と筋肉に学習させることが、持続的で実用的な柔軟性の改善につながります。
まとめ
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可動域制限の原因は、筋の硬さだけでなく、神経や運動制御、姿勢習慣にもある
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ストレッチだけでは「使える柔軟性」は手に入らない
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本当に必要なのは、動きの中でのコントロールを高める運動
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可動域を上げたいなら、「伸ばす」だけでなく「使う」ことが大切
身体を変えるには、“ただ伸ばす”よりも“どう動くか”が重要です。
「柔軟性=動ける身体」を手に入れたいなら、ぜひストレッチに加えて運動による改善を取り入れてみてください。
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