
「脳のスイッチ」が痛みを和らげる?〜橋延髄網様体(PMRF)の働きとは〜
ボクノジム高円寺店の代表トレーナーそうです!
今回はちょっとマニアックな内容です。
痛みや体への興味がある方は最後までご覧ください!
この記事では、なぜ僕が痛みに対して徒手療法と運動療法のどちらも行うのか?ということをPMRFをもとに理解いただければ嬉しいと思って書きました。
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「肩の痛み、なぜトレーニングで軽くなる?」
パーソナルトレーニングを受けている方の中には、こんな経験をしたことがあるかもしれません。
「最初は肩が痛くて腕が上がらなかったのに、セッションの後にはラクになってた!」
これは単に筋肉がほぐれたから…というだけでは説明がつかない現象です。実は、脳の中にある“あるスイッチ”が痛みを抑えてくれている可能性があるんです。
そのカギを握るのが、今日のテーマ
橋延髄網様体(PMRF)。
ちょっと難しい名前ですが、姿勢や痛みのコントロールにおいて重要な役割を持つ脳の中枢です。
「橋延髄網様体」ってどこにあるの?
脳幹(のうかん)という、脳の中でも生命維持を司る中心部分があります。ここには呼吸や心拍をコントロールする神経の通り道があり、その一角にあるのが「橋(pons)と延髄(medulla)」というエリアです。
その中にある「網様体(reticular formation)」が、今回の主役。
この橋と延髄にまたがる網様体、つまり「橋延髄網様体(PMRF)」は、実は痛みをコントロールする中枢の一つなのです。
どうやって痛みを抑えるの?
PMRFが働くと、そこから「痛みを抑える信号」が脊髄に向かって送られます。この仕組みは「下行性痛覚抑制系」と呼ばれています。
たとえば…
《例》姿勢改善トレーニングで肩の痛みが軽減する理由
猫背が強い人に対して、「胸を開く・首を正す」といった姿勢改善エクササイズを行ったとしましょう。
このとき、姿勢を正すや胸を開く筋群などの運動刺激がPMRFを活性化します。
するとPMRFから「痛みを抑えろ!」という信号が同じ側の脊髄に届き、肩の痛みがスッと和らいでいく。
つまり、姿勢を正す動きや筋肉を使う感覚が“脳の鎮痛スイッチ”を押しているとも言えます。
なぜ「同じ側(同側)」の痛みだけに効くの?
ここがちょっとマニアックなポイント。
PMRFから出る痛み抑制の信号は、基本的に脳と同じ側の脊髄に向かいます(同側90%体側10%程度)。つまり、右側のPMRFが働けば、右側の痛みを主に抑えるということです。
これは、脳の神経回路が「交差するもの(対側性)」と「交差しないもの(同側性)」の2種類あるうち、PMRFは同側のルートを使っていることを頭に入れる必要があります。
どんな運動でPMRFを活性化できるの?
PMRFは、体幹や姿勢のコントロールに強く関わる脳部位です。
また、PMRFが不活性になると伸展筋群の活動が下がります。
したがって、
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四肢の伸展筋群の活性ドリル
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反射的なバランストレーニング
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強烈な筋収縮感
などはPMRFを活性化するうえで非常に有効です。
《例》こんな種目がオススメ
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ヒップリフトでハムストリングを整える
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スタンディングレッグパンプスで反射的なバランストレーニング
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MMTに近いような筋力トレーニング
これらを正しく行うと、筋肉だけでなく脳も痛みに対して“反応”してくれます。
わかりやすく言えば、筋トレとピラティスがおすすめということです
まとめ
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橋延髄網様体(PMRF)は、脳幹にある“痛みを抑える司令塔”
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トレーニングによってPMRFを刺激すると、同じ側の痛みが抑制される
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姿勢改善や体幹トレーニングはPMRFを活性化する有効な手段
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痛みが減る理由は「筋肉がほぐれた」だけじゃない。脳が働いた証拠!
何か痛みを持っている方へ参考になれば幸いです。
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