
姿勢は筋肉だけでなく“中枢神経”が決めている
ボクノジム高円寺店の代表トレーナーそうです!
今回もちょっとマニアックな内容です。
姿勢や体への興味がある方は最後までご覧ください!
この記事では、なぜ僕が姿勢改善に対して眼球運動や様々な運動が必要だと思っているのか?ということを中枢神経系をもとに理解いただければ嬉しいと思って書きました。
合わせて読みたい:「脳のスイッチ」が痛みを和らげる?〜橋延髄網様体(PMRF)の働きとは〜
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はじめに
〜姿勢制御における脳幹・小脳・皮質の役割〜
姿勢改善といえば、「弱い筋肉を鍛える」「硬い筋肉を伸ばす」といった、いわゆる周辺組織へのアプローチが一般的です。
しかし、筋肉の出力や協調性を決めているのは神経系の司令塔である中枢神経です。
すなわち、「良い姿勢」を作るには、筋肉の前に“脳”を整える必要があるということです。
1. 姿勢制御の全体像:3つのレベル
姿勢は以下の3つの神経系レベルで統合的に制御されています。
レベル | 主な構造 | 主な役割 |
---|---|---|
① 脊髄レベル | 反射弓・固有受容器 | 基本的な姿勢反射(立ち直り、伸展) |
② 脳幹レベル | 網様体・前庭神経核など | 姿勢の自動制御、抗重力姿勢 |
③ 大脳皮質・小脳 | 運動前野・感覚野・小脳 | 姿勢の予測制御と修正、随意的姿勢制御 |
姿勢制御は単なる「筋出力の調整」ではなく、複数の中枢が連携する多階層システムということがわかると思います。
2. 橋延髄網様体(PMRF)と姿勢の関係
PMRF(橋延髄網様体)は、脳幹に存在する姿勢・筋緊張の制御センターです。
▷主な機能
-
体幹・近位筋群への持続的な筋緊張の維持
-
痛みの抑制(下行性抑制系)
-
姿勢反射(例:立ち直り反応、姿勢保持時のバランス調整)
3. 小脳とフィードフォワード的姿勢制御
小脳、特に虫部や前庭小脳は、重心の予測的コントロールに深く関与しています。
▷小脳の関与
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姿勢制御における予測誤差の修正
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歩行中や動的課題における重心の事前調整
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視覚・前庭・固有感覚の統合と姿勢への反映
▷実践例
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不安定面でのバランス課題(例:バランスディスク上のスクワット)
-
クロスモーション課題(左右交差運動)による脳間協調の促進
4. 大脳皮質の姿勢調整への“意識的”関与
特に運動前野と体性感覚野は、姿勢の随意的制御と密接に関連します。
-
「姿勢を整えよう」という随意的な動作は、運動前野が主導
-
接地感覚や圧覚、股関節位置などの身体内フィードバックは体性感覚野で処理される
-
姿勢認知の歪みは、これらの領域の情報処理の不一致として捉えることもできる
5. 神経系を“鍛える”姿勢トレーニングとは?
筋トレと違い、神経系の活性化には感覚入力と適切な運動出力のループが必要です。
有効な刺激例:
-
頸部・骨盤・遠位部のアライメント修正(→PMRF活性化)
-
視覚・前庭刺激を交えた体幹トレーニング(→小脳も活性化)
-
サークルドリルや空間認識トレーニング(→皮質再マッピング)
注意点
-
刺激は適度に“ノイズ(揺らぎ)”を含むものが有効(完全な安定は逆効果)
-
運動強度ではなく、「適応が必要な環境」が重要
おわりに
「姿勢を良くしたい=筋肉を鍛えよう」だけでは、根本的な改善にはつながらないケースが多々あります。
むしろ、姿勢は中枢神経系のアウトプットの一部であると捉えることが、正しい姿勢介入の方法だと思っています。
筋肉だけでなく、“脳”へのアプローチをトレーニングやセッションにどう組み込むか。
姿勢改善の鍵を握る視点になれば幸いです。
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