
反り腰の改善を“中枢神経系”から考える
ボクノジム高円寺店の代表トレーナーそうです!
今回もちょっとマニアックな内容です。
反り腰や姿勢への興味がある方は最後までご覧ください!
この記事では、なぜ僕が反り腰や姿勢改善に対して眼球運動や様々な運動が必要だと思っているのか?ということを中枢神経系をもとに理解いただければ嬉しいと思って書きました。
合わせて読みたい:姿勢は筋肉だけでなく“中枢神経”が決めている
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はじめに
「反り腰=骨盤前傾」は、現代人に非常に多く見られる姿勢パターンです。
一般的には、大腿直筋の緊張、腹筋やハムストリングスの筋力低下といった「筋バランスの崩れ」に注目されがちです。
しかしこの“姿勢のクセ”は、実は中枢神経系が出力している運動パターンの一部です
つまり、「脳の姿勢プログラム」が誤ってアップデートされている可能性があります
今回は、反り腰を単なる筋バランスではなく「中枢神経系の問題」として再考していきたいと思います!
1. 反り腰の姿勢パターンとは?
解剖学的特徴:
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骨盤の前傾(ASISとPSISの角度増大)
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腰椎の過剰な前弯(ロードシス)
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重心の前方偏位(足部前方への荷重が増加)
よくある解釈(周辺機構):
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大腿直筋・脊柱起立筋の過活動
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腹筋群・臀筋の低活動
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筋連鎖の破綻(アナトミートレイン)
ここまでは“軟部組織”からのアプローチが主流ですが、姿勢の制御は「脳→筋肉」のアウトプットである以上、中枢の介入も視野に入れるべきだと考えています!
2. 反り腰と脳幹(特にPMRF)の関係
反り腰の姿勢には、抗重力筋の非対称な活動パターンが背景にあることが多く、これは脳幹の中でも橋延髄網様体(PMRF)の出力と関係があります。
PMRF(pontomedullary reticular formation)の役割:
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姿勢保持に関わる筋群の同側性の活動を調整
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網様体脊髄路を通じて、自動的な抗重力制御を担う
仮説的として
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片側のPMRFの過活動 → 同側の遠位部・脊柱起立筋トーン上昇
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反対側の活動低下 → 対側の殿筋・腹筋活動低下
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結果として、片側主導の前傾パターンが固定化
3. 小脳の姿勢フィードフォワード制御
小脳(特に虫部・前庭小脳)は、「予測的に姿勢を準備する」役割を持っています。
小脳の誤作動で起こりうる現象:
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身体の重心に対して過剰に腰椎を前弯させて安定を得ようとする
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骨盤周囲の筋群が“タイミングのズレ”を起こす
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視覚・前庭・固有感覚の統合不良 → 姿勢の空間認知エラー
多い傾向
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反り腰傾向の人は、閉眼バランステストや不安定面での揺らぎが大きい傾向
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頭部と骨盤の協調運動が乏しく、「上体主導」の姿勢補正が多い
4. 皮質レベルの“姿勢意識”の歪み
「私はちゃんと立っているつもり」というクライアントの認識と、実際の姿勢が一致しないことがあります。
これは、体性感覚野のマッピングのズレ、および運動前野の出力パターンの固定化によるものです。
特徴的パターン:
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腹部や股関節前面の「緊張感」が“安定”と誤認されている
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反り腰でいる方が「楽」に感じてしまう
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腰部を伸展しないと“真っ直ぐ”だと認識できない
5. 中枢神経系へのアプローチ
感覚の再教育
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壁立ち・背中当てフィードバック
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足底や体幹部分での重心移動を“感じる”
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呼吸と骨盤・肋骨の連動を意識する
PMRF活性の例
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左右交互の負荷移動(体重移動訓練など)
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骨盤の回旋動作を入れた四つ這いエクササイズ
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反復的な荷重変化(ゆっくりとした歩行やスプリットスクワット)
小脳刺激・再学習
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視線固定+姿勢制御
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バランスパッド上での片足立ち
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スピードの異なる運動を交互に行う(遅い→速い)
おわりに
反り腰は、単なる筋肉の問題ではなく「中枢神経の学習エラー」とも言えます。
そしてその姿勢パターンは、脳幹・小脳・皮質が出力している“その人にとっての安定とも言えるとのことです。
「筋トレをしてもすぐ戻ってしまう」「腹筋が弱いから反り腰になる」という思い込みを超え、
“脳を整える姿勢改善”という視点を、ぜひ現場でも取り入れていただけると幸いです。
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