ヒップアップに必要な考え方
ボクノジム高円寺店代表トレーナーのそうです
ヒップアップというと、「お尻の筋トレを頑張る」「スクワットをたくさんやる」というイメージを持つ方が多いかもしれません。
しかし実際のところ、筋肉を鍛えるだけではお尻は上がりません。
お尻の位置や形を決めているのは、筋肉だけではなく姿勢や呼吸の仕方など、体全体の使い方です。
今回は、「踵重心」と「後縦隔に空気を入れる呼吸」という2つのキーワードから、ヒップアップの本質をわかりやすく解説します。
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1. そもそも「お尻が下がる」原因は?
お尻が垂れて見える主な原因は次の3つです。
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骨盤が後傾している(スウェイバック)
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股関節の動きが悪くなっている
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重心がつま先側にずれている
特に3つ目の「重心位置」は、多くの人が見落としがちなポイントです。
重心がつま先側にあると、太ももの前側(大腿四頭筋)ばかりが使われ、お尻の筋肉(大殿筋・ハムストリングス)がうまく働きません。
その結果、骨盤が前に傾き、お尻が後ろ下方に垂れて見える状態になります。
2. 鍵となるのは「踵重心」
ヒップアップのためにまず意識したいのが、踵(かかと)重心です。
立っているとき、体の重心は理想的には「くるぶしの少し前あたり」にあります。
しかし、多くの人は姿勢の崩れや筋肉のバランスによって、無意識につま先寄りになっています。
踵重心にすると何が変わるのか?
主な効果は次のとおりです。
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骨盤が自然な位置に戻る
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太ももの前の張りが取れる
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ハムストリングス(もも裏)と大殿筋(お尻)が使えるようになる
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姿勢全体がまっすぐ立ちやすくなる
つまり、お尻を引き上げる筋肉が正しく働く環境が整うということです。
3. 「後縦隔に空気を入れる」とは?
次に重要なのが、「後縦隔(こうじゅうかく)に空気を入れる」呼吸です。
難しそうに聞こえますが、これは背中側に空気を広げる呼吸のことです。
● 後縦隔とは?
後縦隔とは、背骨の前・肺の後ろ側にある“胸郭の奥”の空間です。
そこに空気(つまり圧)を入れることで、背中側の肋骨がしっかり広がり、胸郭全体の動きが整うようになります。
● なぜヒップアップに関係するの?
呼吸で背中側に空気を入れると、次のような変化が起こります。
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肋骨が締まり、背骨に弯曲が作られ、立ちやすくなる
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骨盤が前方へ移動せず、中立に戻る
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横隔膜が正しく働き、体幹が安定する
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腹圧が上がり、姿勢が崩れにくくなる
つまり、後縦隔に空気を入れる呼吸は姿勢の土台を整える呼吸なのです。
この姿勢の安定があるからこそ、お尻の筋肉が正しいポジションで働けるようになります。
4. 実践:ヒップアップのための基本姿勢と呼吸
ここでは、自宅でもできる「踵重心+後縦隔呼吸」の基本練習を紹介します。
ステップ①:姿勢を整える
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壁に背中を軽くつけて立つ
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頭・背中・お尻が壁につくようにする
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膝を軽く緩め、体重をかかと寄りに感じる
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このとき、腰が反らないように注意
ステップ②:呼吸を入れる
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鼻からゆっくり息を吸う
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肋骨の後ろ側、背中全体に空気を送るように意識
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息を吐くときは口をすぼめて、ゆっくり細く吐き出す
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肋骨が“背中側から閉じていく”感覚を感じる
この呼吸を10回ほど繰り返してみましょう。
背中が膨らむ感覚が得られたら、それが「後縦隔に空気を入れる」感覚です。
5. トレーニングの効果を最大化するために
踵重心と後縦隔呼吸ができるようになると、お尻を使うトレーニングの効き方が変わります。
たとえばヒップリフト(仰向けでお尻を持ち上げる運動)やスクワットでも、以下のような違いが出ます。
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踵重心を保つことで、太ももではなくお尻に刺激が入る
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呼吸によって体幹が安定し、骨盤が正しい位置で動く
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トレーニング後の腰の張りや膝の負担が減る
つまり、“正しい姿勢と呼吸”ができてこそ、ヒップアップトレーニングは最大の効果を発揮するのです。
6. まとめ
ヒップアップを成功させるには、ただ筋肉を鍛えるのではなく、
「姿勢の土台」と「呼吸のコントロール」を整えることが欠かせません。
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踵重心:お尻を使いやすくし、骨盤を正しい位置に保つ
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後縦隔呼吸:背中側に空気を入れて体幹を安定させる
この2つを身につけるだけで、トレーニングの効果が何倍にも変わります。
見た目の美しさだけでなく、姿勢も呼吸も整う“機能的で健康的なヒップアップ”を目指しましょう!
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